患者への介助作業は看護師の重要な仕事の一つです。食中毒患者も例外ではありませんが、その際は衛生管理を徹底しなければいけません。食中毒を引き起こす細菌の多くは飛沫感染や接触感染でうつるため、介助作業を行った看護師が食中毒の症状に見舞われる可能性があり、注意が必要です。
看護師が食中毒の原因菌に感染するケースとして、汚物処理が挙げられます。食中毒の症状は主に嘔吐や下痢ですが、これらは体から細菌や毒素を排出しようとする免疫機能によるものです。そのため、排出された汚物には人体に有害な細菌や毒素が混在しています。汚物処理は感染リスクが高いので、絶対に素手で行ってはいけません。マスクや手袋、エプロンなどの保護具を必ず使用して、細菌や毒素との接触を避けましょう。
汚物がこぼれた場所は塩素系の薬剤で念入りに消毒することも忘れてはいけません。食中毒の原因菌や毒素の中にはアルコールでは除去できないものがあるので、安全に消毒を行うなら塩素系の薬剤を選ぶのが賢明と言えるでしょう。
汚物処理に使った道具類は熱湯で十分に洗浄するか、一回限りの使い捨てを徹底します。患者への介助作業も素手では行わず、できるだけ保護具を用いるのが正しい対処法です。
また、体力が低下していると症状が出やすいので、日頃から栄養の摂取や休息には十分に気を配ることも忘れてはいけません。心身が弱っている患者へのケアを正しく行うには、看護師自身が健やかに保つことが重要と言えます。