介護施設において食中毒が発生した場合の看護師の役割は、患者の医療ケアと医療機関との連携をとることです。まず、院内感染や家庭内感染を防ぐために、患者の隔離と看護師自身の防護を行います。患者を個室に移動させ安静にしてもらい、その後、看護師はマスク、ビニールエプロン、手袋を着用して患者の処置をします。
検温をしたり嘔吐や下痢などの症状を確認したりしてカルテにまとめ、医療機関に連絡しましょう。
また、嘔吐や下痢などの汚物に関しては、使い捨てのナプキンやビニールで処分し、周辺を次亜塩素酸ナトリウムで消毒することが必要です。汚物や使用後の防護備品からも感染するため、識別して隔離保管することも重要となります。そして、しばらくの間は他の入居者へ問診を行い、腹痛を確認したり検温したりする頻度を高め、健康管理を重点的に行いましょう。
これらの行動が速やかに実施できるように、日常管理に努めることも重要となります。まずは、マニュアルの整備です。作業手順や関係連絡先の記載などを確認しましょう。
複数の看護師が駐在しているのであれば、役割分担を明確にしておくこともポイントです。そして、定期的にこの書類を使って訓練をしておく必要もあります。さらに、忘れ防止や即対応できるように掲示しましょう。必要な備品に関しては定位置化と整理整頓をして誰でもすぐに取り出せるよう環境を整備することも大切です。特に、消毒液や防護備品は欠品がないようにチェックリストを使って数量管理をしておきましょう。また、最新の食中毒の動向の情報取集も行います。